「デザインが上手い人は本当に仕事がはやい。」
昔から思っていたことなのですが、デザイナーさんやデザイン会社の経営者さんとの交流が増え、仕事の裏側を垣間見る機会が多くなったことで、より強く感じるようになりました。
いつ、そんなものを作っていたんですか?というレベルではやい人が多い。
これは自論ですが、優秀なデザイナーほど、いわゆるその仕事の及第点である「70点」のクオリティにスピーディに到達することができます。
そして、より完璧なものを作り出すべく、そこからの残った時間をギリギリまで使い、さらなるクオリティアップを図る。そんな人が多いように思います。
では、なぜデザインが上手い人は仕事がはやいのでしょうか?
日常的なインプット
短時間で一定以上のクオリティを出すためには、常に頭の中でデザインを整理し、様々なパターンを蓄積しておく必要があります。
仕事の要件、要望などを聞いたときに、パッとイメージが思い描けるかどうかがまず重要。そのためにデザインのキュレーションサイト、SNS、デザイン系のニュースサイトなどに日々アンテナをはっています。キャッチアップもとにかくはやい。「あのサイト見た?」という一言でそのとき話題のサイトの話が始まるなんてことは日常茶飯事。
ちなみに僕は、時間さえあればpinterestを眺めていることが多いですが、あまり趣味に偏りすぎないように検索を気をつけたりしてます。。。
作業における判断力のはやさ
また、デザインがはやい人は、作業における「判断力」が優れていると思います。迷う時間を極限まで減らすためには、自分の中に明確な基準や方向性が必要。先程も触れた日常的に良質なデザインを見ることを通して、自分の中で良し悪しの判断を磨くことで、自然と判断力が鍛えられ、結果的に仕事のスピードにつながります。
潔く捨てる勇気
僕が一番重要と考えているのは、「潔く捨てる勇気」です。
自分が作ったものがイマイチだと思ったときに、それに固執せず、すぐ次のアイデアを出しチャレンジできるかどうか。これは一見ムダに感じられることかもしれませんが、はやく見切りをつけることで、より良いアイデアにたどり着くチャンスが増えるのです。優れたデザイナーほど、この切り替えのはやさを意識的に実践しています。自分が時間をかけて作ったものに見切りをつけるには自分に対しての正直さと、もう一度挑戦するという勇気が必要です。これがはやさ=クオリティの高さと比例してくる重要なポイントだと感じています。
「まぁいいか」と自分をごまかすほど、レベルアップはしないものです。
そして、スピードを向上させるために有効なのが、「期限を自ら課す」という方法です。
上司から渡された納期を守るということではなく、自分にとって挑戦的な期限を設定することで、集中力が高まり、作業スピードが自然と養われます。締め切りが曖昧だと、意識が緩んでしまうことがありますが、明確な期限設定はそれを防ぎ、作業効率を大幅にアップさせます。
特に若手デザイナーや、もっと効率よく仕事を進めたいと考えている方は、与えられた期限に対して、「自分の挑戦となる期限を設定すること」を意識してみると良いと思います。
期限の設定はスピードアップだけではなく、こういうものならこのくらいでできる!という自分の作業時間の感覚を掴むことにもつながります。作業時間がつかめると、ディレクターがスケジュールを組みやすくなるため重宝されます。
生成AIが日常的に使われるようになってきて、デザイナーの役割や、作業内容と作業時間は大きく変わっていくとは思いますが、日々のインプットと、自分への意識的な制約や潔く捨てる勇気を持つことで、自分の判断力や表現の幅を磨くことは、仕事のスピードとクオリティを同時に高めてくれるはずです。