みなさん、こんにちは。 
2025年に大阪に来たるビッグイベントを首をなが〜〜〜〜くして待っていた米田です。

そう、それは…
大阪・関西万博!!!

開幕から1ヶ月、ようやく足を運ぶことができました!
世界中からたくさんの人が集まるこの万博では、「デザインの力」を感じる場面がたくさんあります。
一度の訪問では、たくさんのパビリオンを巡ることはできませんでしたが、今回訪れることのできたフランスパビリオンのピクトグラムが印象に残ったので、ご紹介します!

ピクトグラムとは?

ピクトグラムとは、絵や図を使って視覚的に情報を伝える記号のことです。
言語や年齢に関係なく情報を伝えられるため、万博のようにさまざまな国・文化の人々が集まる場では、非常に重要な役割を果たします。

私も日々のデザイン業務の中で、ピクトグラム(アイコン)を制作する機会が多くありますが、そのたびに「どうやって個性を出すか」や「全体のデザインとの調和をどう保つか」に悩むこともしばしばです。
今回は、フランスパビリオンのピクトグラムから見つけた、そんな悩みを解くヒントやインスピレーションを、いくつかご紹介していきたいと思います。

フランスパビリオンのテーマとピクトグラム

フランスパビリオンのテーマは、愛の讃歌
建物の前には、運命の赤い糸でつながれた石像が置かれています。
そのコンセプトを表現するように、ピクトグラムも一本の糸で紡がれたようなデザインになっていて、テーマとの一体感を感じることができます。

「高齢者」「妊婦」「車椅子利用者」といった、異なる立場にある“人”を表現するピクトグラムが、シンプルで少ないラインで、しっかりと意味を伝えていることに感動しました。
直線的なラインとやわらかな曲線とのバランスが絶妙で、スタイリッシュでいて優雅さを感じるフランスらしいデザインになっているのだと感じました。

レストランのピクトグラムには、「フォーク」「スプーン」「ナイフ」の3種類のカトラリーが描かれています。
一般的にはフォークとナイフの2種類だけで表現されていることが多いですが、スプーンが加わることでまるでフランス料理のコース全体を連想させるような、豊かで洗練された印象を受けました。
特に印象的だったのは、ナイフの刃の部分があえて短くデフォルメされている点です。
これにより、フォークからスプーン、ナイフへと続く線の流れが自然で、全体としてとても心地よくまとまっています。細部にまで配慮された、美しく調和のとれたデザインだと感じました。

パビリオンの入場ゲートとは別に設けられた、パンの販売スペースの入り口には、フランスを代表するパン「バゲット」と「クロワッサン」が描かれていました。それぞれの形状の特徴をしっかりと捉えていて、ひと目見ただけで「フランスのパンだ!」と直感的に伝わってきます。
ピクトグラムを見ていると、思わずパンの香りが漂ってくるようで、お腹が空いてしまうほど。。。
また、隣に掲げられていたフラッグには、イベントスペースを示すピクトグラムが描かれており、特に印象的だったのは、聴講者たちのシルエットがひとつながりの線で表現されていた点です。
通常であれば、個々が分かれて描かれることが多いこうしたモチーフですが、あえて“つなげて”表現することで、ピクトグラム全体に一体感が生まれており、視覚的にも非常に美しく感じられました。
また、フランスパビリオンのテーマである「愛の讃歌」とも通じるような、人と人とのつながりや調和が、この小さな図案の中にも丁寧に込められているように感じました。

まとめ

シンプルな線にも関わらずテーマとデザインが深く結びついている表現には、大きな刺激を受けました。言葉が通じなくても、デザインで伝えることができる。
そんな「デザインの可能性」をピクトグラムを通してあらためて実感することができました。
今後、自分が手がけるデザインでも、「伝える」だけでなく、「感じさせる」ことを意識していきたいと思います。