こんにちは。
11月も最終週となり、今年もいよいよあと一ヶ月。
イルミネーションが灯り、夕暮れの街が華やかになっていく様子は楽しいですね。
数日前に年賀状のデザインチェックを終え、今年もはやかったなぁと思う、細尾です。
今回も前回同様ロゴデザインに関する記事をお届けします。
突然ですが、「日本タイポグラフィ年鑑」をご存知でしょうか?
日本タイポグラフィ年鑑は、日本タイポグラフィ協会の会員から選ばれた審査員によって選び抜かれた作品を掲載した、海外でも評価の高いタイポグラフィ・デザインのアワードです。
タイプフェイス、ロゴタイプ・シンボルマーク、VI、グラフィック、エディトリアル、研究・実験など10のカテゴリーがあります。
全応募作品の中から書籍に掲載される「入選」、その「入選」作品の中から「グランプリ」1点、各部門に「ベストワーク賞」、2018年からは審査委員個人の視点から選ばれた「審査委員賞」などが授与されます。
先日、「日本タイポグラフィ年鑑 2023」の審査結果が発表され、弊社でデザインを担当した「SOOOP」さんのロゴを、ロゴタイプ・シンボルマーク部門のベストワークとして選出いただきました。
「SOOOP」さんは、主に映像、写真、企画などを行うデザインユニットです。(SOOOPは、S[スペシャル]、O[オリジナル]、O[オモシロイ]、O[オシャレ]、P[プロジェクト]の略。Webサイトは他社さん制作)
私がこの「日本タイポグラフィ年鑑」を知ったのは、新卒の頃。
当時勤めていた会社の書棚に、毎年の年鑑がずらっと並んでいて、自分とは「住む世界が違うレベルのデザイン」、という目で眺めていたのを思い出します。
ロゴをデザインするデザイナーにとっては、憧れの賞のひとつだと言えます。
そんな「日本タイポグラフィ年鑑」へ応募したのは、2013年。
ロゴの師匠と勝手に思っている、コージィデザインの佐藤浩二さんが、ロゴデザインセミナーで応募をすすめられていたのを聞いたのがきっかけでした。
佐藤さんは、オリコン、ソフマップをはじめ、企業ロゴやブランドロゴ、400点以上のロゴ制作実績があり、ロゴデザインの書籍執筆や、大学講師、今はオンラインセミナーを開催されているロゴデザインのスペシャリスト。
「憧れ」はときに「遠い存在」となって、挑戦しようという気持ちさえ起こらないなんてことはありますが、佐藤さんの言葉に背中を押されて応募しました。
数点応募し、1つ初入選。
自信につながり、「今年もいけるのでは?」なんて思いながら翌年も応募しましたが、見事に撃沈…。
そんなに甘いものではないということを実感しました。
その後も、毎年応募しようと決め、スタッフも含め毎年10点程度応募をし続けています。
ロゴデザインは、ご依頼いただいたお客様のためにデザインするものです。
だからアワードに応募するなんて…という意見もあるかもしれません。
もちろん賞を取るためにデザインをすることを、僕は良いとは思いません。
制作するときは、お客様のビジネスに良いコミュニケーションを生むことを第一に考えてデザインしています。
ただ、デザインをしていると、第三者からの評価、特にプロからの意見や評価をいただける機会はなかなかありません。
同じデザイナーという立場の方の、違う角度からのフィードバックはさまざまな気付きにつながることもあり、デザイナーとしての成長につながるのではないでしょうか。スタッフの成長のために応募するのも、とてもおすすめです。
僕が経験したように、厳しい評価につながることもあります。悔しい思いは次への糧とできれば良いと思いますし、思いがけず、入選、受賞と好評価をいただければ、自信と、お客様の信頼にも繋がります。
起業したてのフリーランスや学生さんなど、お客様が評価できる実績が少ない頃は、デザインアワードでの受賞は信頼を得るためにとても大きな役割を担ってくれるように思います。
初応募から9年。
今回ありがたくもベストワーク賞をいただくことができました。
本格的にロゴデザインをはじめて15年。43歳での受賞。
一般的に見れば遅咲きなのかもしれませんが、まだまだ伸び代しかないと信じて、デザイナーとしても成長できるよう、これからも毎年挑戦していきたいと思います。
動けば何か結果は出るもの。
ロゴのデザインをされているデザイナーの皆さま!
実力試し!という気持ちで応募されるのを強くおすすめします。
最後にスピッカートのタイポグラフィ年鑑への挑戦の軌跡を振り返ってみようと思います。
2014
2015 選外
2016 選外
2017 未応募
2018
2019
2020 未応募
2021
2022
2023
↓ロゴデザインのプロセスについてまとめた記事もありますのでよろしければ。
ロゴの作り方~創業期のロゴ/ひより保育園篇~