こんにちは、竹内です。

実は最近、「つけペン」を衝動買いいたしました。
ペン先をインクにつけ、できるインクだまりで線を引く、
昔ながらの画材ですね。

一緒に購入したペン先を描いてみる。



つけペンを持つと、なんだか、在りし日に生きる人間になれたような気がするから、すっかり気に入ってしまいまして。
最近は仕事から家に帰るやいなやペンを持ち、ひたすら何かを書いています。

…と、前置きはこれくらいにして、
今回は、「かたちから入ることも、時には大事」なんじゃないか、
というお話をさせていただきたいと思います。

この話をしたいと思ったのは、
spicatoのとあるデザイナーがロゴデザインを制作する際に、
そのクライアントの雰囲気に合わせて服装を変えている、という話を聞いたからです。

それを聞いて、私は「とっても素敵」と思いました。
もちろん、服装を変えたからといって、
途端にものすごく素晴らしいデザインができるわけではありません。

でも、そのクライアントの世界に少しだけ自分を寄せてみることで、
相手のことを考えるスイッチが入りやすくなるのかもしれない、
と思ったのです。

実際、その試みをして制作されたロゴは、クライアントの要望と、そのデザイナー独自のニュアンスが織り混ざって成り立った、唯一無二のクリエイティブになっている感覚があって。思わずそのデザイナーの前でスタンディングオベーションをしました。

私自身も、以前子ども関係のお仕事をさせていただいたとき、子育て関係の雑誌を読み漁っていたことがあります。
その内容はクライアントへのご提案に直結するものではありませんでしたが、
実際にその雑誌を読んでいると、「私が、お母さんの立場だったら、子どもの立場だったら…。この制作物に対して、こう感じるかもしれない。」と、考える視点が増えていったような気がしています。

そういったことを重ねていくと、ミーティングの際にいただいた言葉をふと思い出して、ほろほろと涙が出てきたりすることもあって。
「この方が大切にしていることに対して、誠実なものづくりがしたい」という気持ちが、自然と強くなっていくんですよね。

こういった経験から察するに、
相手の目線になって考えるというのは、
頭の中だけでやるものではないのかもしれません。

身だしなみを変えてみる。
その方たちが読むものを読んでみる。
使っているものを使ってみる。

そんなふうに、まず「かたち」から入ってみる。
すると、その「かたち」に引っ張られるように、
気持ちや視点まで少しずつ変わっていく。
こうした道すじを辿ってみると、自分の推測だけでつくりだしたものよりも、
クライアントや、その先にいる届けたい人々の方向を向いた、
いわゆる「よいもの」が出来上がるのではないかと、私は考えています。

余談ですが、デザイナーのお名前を濁したのは、公開はまだ先になる案件だったからです。
どんなものができあがるのか、ぜひ楽しみにチェックしていただけるとうれしいです。

最近つけペンを買ったのも、
何かをかたちから始めてみたくなったから、……なのかもしれません。(こじつけ)

それでも、いつか何かの役に立つ…のかも。
歴史的・文化的なアーカイブを整理するWebサイトなどのお仕事をいただけるその日まで、
このつけペンとの日々を楽しんでいたいと思います。笑

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
来週のブログもお楽しみに!