こんにちは。細尾です。
今年もまだまだ暑い日が続きますね。
そう言えば、世界的に観測史上暑い年ランキングは、1位が2024年、2位が2023年、3位が2025年と直近の3年らしいです。2026年は何位なのか、果たして。。。!?
さて、いきなり話は変わりますが、先日、経営者仲間から一冊の本を勧めていただきました。
「経営メモ 16年の起業家人生で得た知見」(阿部圭司 著、フォレスト出版)という本です。16年の起業家人生の中で掴んだ経営のコツが、184の項目とその説明という形でずらりと並んでいる、いわゆるビジネス書です。
その方が最初に紹介してくれたのが、「法人税は、未来への投資を適切にしなかった罰金」という一文でした。聞いた瞬間、地味に心をえぐられました。。。「税金をちゃんと納められるように頑張らなくちゃ!」と意気込んでいたあの気持ちは何だったんだろう。ちょうど10期目を終え、この先、何に投資すべきか悩んでいたタイミングだったこともあって、余計に刺さりました。。。
184の項目にはかなりの金言が並んでいましたが、個人的に一番手が止まったのは「マーケティングは設計から態度へ」という一節でした。
自分の中で、マーケティングと言えば、ターゲットを決め、いつ、どういう場面で、どういう内容と方法で訴求するかを設計し、実行し、結果を解析し、そこからさらにブラッシュアップして再度実行する。そういう繰り返しの中で成功確率を高めていく手法だと認識しています。過去の成功をなぞれば確率は上がりますし、そこに大きな資金をかければなおのことです。
ただ、地方でデザインの仕事をしていると、これがなかなか難しいと感じることも多く。。。物理的な距離を超えて訴求できるものでないと届く相手やエリアが限られますし、そもそもターゲットになる人の数が少なかったり、場面自体が限られていたりします。そして資金力が必要なのは言うまでもありません。。。
地方ではそういう事情もあってか、マーケティングよりもブランディングの方が重要だという声をよく聞きます。人口に比例して会社の数も少ないから、その会社「らしさ」を伝えていくだけで差別化がしやすい、というのが理由だと思います。私たちspicatoという会社も、大阪の南、人口4万人ほどの町にあるデザイン会社というだけで、すでに珍しがられて差別化になっています。
ブランディングで大事なのは「らしさ」の発信と、それを正直に伝え続ける「態度」だと、以前からずっと思っています。同じことを伝え続けなければ嘘になりますし、途端に破綻してしまいます。
この「態度」という言葉が、まさかマーケティングの本の中から出てくるとは思いませんでした。本の中では、いまのマーケティングはもう相手を動かす技術ではなくなっていて、変化し続けるメディア環境の中でどれだけ一貫した「態度」を保てるかが問われている、という趣旨のことが書かれていました。極端に言えば、マーケティングは方法論と考えていたので、「態度」という言葉には驚きましたが、妙な納得感もありました。
便利なもの、機能的な商品があふれる時代、何を選ぶかの基準は、結局のところ人間の在り方に戻っていくのかもしれません。絶対に変えてはいけないと思えることを大切にする。在り方が一番大事なんだと、あらためて感じさせられました。
実際、この流れは自分だけの感覚でもないようです。最近知った「Loved Company Japan」というメディアは、規模や売上ではなく、会社の思想や文化、そこで働く人の想いを軸に「愛される会社」を紹介しています。選ぶ基準が「条件」から「在り方」へ移ってきているのは、採用の現場でもすでに起き始めているということなんだと思います。
ブランディングを考えていくと、伝え方のところで躓くこともあります。マーケティングとブランディングは、時に対極になることもあります。でも結局は、その両軸でバランスを取っていくことが必要なんだと、あらためて感じた1冊でした。

